私は受験競争を勝ち抜いて,東京大学に合格し,卒業後,社会に出ましたが,日本の教育について思うところがあります。
それは,日本の教育制度の延長上に,幸せな人生がないかもしれないということです。
「一所懸命に勉強し,良い成績を取ってレベルが高い学校に入る→国家資格を取ったり,大企業に就職したりする」というのが,日本の教育制度の延長上にある生き方だと思います。
私自身,何の疑問もなくそのレールの上を歩んできました。
しかし社会出てから,「この仕事は自分のやりたいことではないかもしれない」と気づき,「自分は本当は何がやりたいんだろう?」「自分にとっての幸せって何だろう?」と考え始めました。
高校までの教育と大学以降の現状の乖離
高校までは学校の授業を真面目に聞き,先生から言われた通り頑張って勉強さえすれば評価されます。
大学に入ると少し自由度が上がり,研究テーマなどは自分で見つける必要がありますが,それでも「勉学に励めば良い」というのは変わりません。
しかし,就職活動以降は自分で考えて行動していく必要があります。
数ある業界・企業の中から,就職希望先を選ばなければなりません。
これまで「自分のやりたいことは何か?」と考えてこなかったのに,就職活動で自分の価値観に沿って就職希望先を選ぶのは不可能に近いです。
私も周囲の東大生と同じように,何の疑いもなく,大企業への就職や国家公務員の道を考えました。そして,一番最初に内定をもらえた日本IBMに就職しました。
しかし,自分のやりたいこと・好きなことを無視して就職しても,仕事にやりがいを感じられるはずがありません。私自身,大企業に就職しても,仕事に全くやりがいを感じられず,悶々とした日々を過ごしていました。
私の周りの東大卒業生,いわゆるエリートと呼ばれる人たちも社会に出てから同じ悩みを抱えていることが多いと感じています。
一方,真面目に勉強してこなかった人でも,自分のやりたいこと・好きなことを仕事にして,幸せな人生を歩んでいる方も少なくないと気づきました。
自分の価値観を明確にすることの重要性
学生時代に頑張って勉強してきたことを後悔しているわけではありません。
東大卒という学歴以上に,勉強する過程で,自分で目標を設定し達成する力など,様々な力を身に付けられたからです。
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学生時代は勉強に力を注げば良く,その対象を自分で見つける必要はありません。
しかし,就職活動や社会に出てからは,自分は何が好き・嫌いで,どんなときに幸せを感じるかを把握して,何に力を注ぐかを自分で決めなければなりません。
そのためには,人生の早い段階から,自分の気持ちや本音に正直になり,価値観を明確にすることが大切です。
家庭でできること
日本の教育では,「勉強ができるかどうか」という基準で評価されることが多いので,勉強ができないと子どもを厳しく叱ってしまうかもしれません。
しかし勉強ができるかどうか以上に,自分は何をしたいか,何が得意・不得意でどんなときにやりがいを感じるかなど,子ども自身が個性を把握できていることの方がよほど大切です。
子ども一人一人の個性を把握するのは,学校や塾では難しく,家庭教育でしかできないことでもあります。
「勉強しなさい!」と厳しく叱りすぎて子どもの個性を潰してしまうのではなく,「これをやっているときはいつも幸せそうだね!」「あなたのこういう部分が良いよね!」「こういうことが得意だよね!」というように子どもの個性を把握したり伸ばしたりするような声掛けをしましょう。
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